朝の猫たち

朝、目が覚めると寝室のドアの向こうに二匹の猫の気配がある。
寝たまま手を伸ばしてドアを開けてやると早速二匹が飛び込んできて、ベッドの上に飛び乗り体をすり寄せてくる。普段滅多にゴロゴロ言わないコバケンは朝だけはここぞとばかりに喉を鳴らす。鳩が中に入っているのではないかというくらいの剣幕だ。ヲザワも懸命にいつもより強めの鼻アタックをしかけてくる。一緒にいなかった数時間の隙間を埋めようとでもいうのだろうか。「飼い主!、ああ飼い主!淋しかったよ!」という声が聞こえてくるようだ。猫ってもっとマイペースで淡泊なイメージだが、うちの二匹は二匹とも寂しがりだ。野良猫上がりのコバケンでもそうなのだから、持って生まれた性格というよりは、飼い主にべったりの生活が猫たちをそうしているのだろう。
飼い主がベッドから出て、朝食の支度を始める頃には猫たちはそれぞれの場所でくつろぎ始める。日当たりのいい場所を選んでごろんと寝っ転がるのがいつものスタイルだ。連休も明けて人間も猫も、通常営業に戻る。慌ただしい朝の時間が始まる。