二匹の猫を動物病院へ連れて行ったら

半年前の話だが、二匹の猫にワクチンを打つために動物病院に連れて行った。二匹同時に病院に連れて行くのは初めてだったが、特に混乱もなく二匹とも捕獲され、バッグにおさまった。病院でもおとなしかったので、滞りなくワクチン接種は終了、30分足らずで帰宅することができた。
ところが帰宅した後の二匹の行動は対照的だった。バッグから出るやコバケンは物陰に隠れて飼い主を睨みつけ、ヲザワはいつも以上に私にすり寄って甘えてきたのだ。
病院に連れて行ったのは飼い主なのだから「おまえが悪い」とにらみつけるコバケンの行動が当然で、ヲザワが間違っているというか頭が弱いというか、まあ、そういうことだという気はする。しかし災難の元凶である飼い主にそれでもすりよって不快を癒そうというヲザワの行動は人間の子供に近く、人への信頼感が深いように感じられなくもない。
この差は生まれも育ちも家猫のヲザワと、野良出身のコバケンの違いか、家猫生活の長さの違いか。何年飼っても飼い主を信頼しない猫も実家にはいたから、持って生まれた性格によるものなのかもしれない。来年のワクチン接種の時はどんな反応をするのか、今からなんとなく楽しみである。