2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

猫の秘密

猫は眠るとき、小さな身体に一杯の幸せを蓄える。 規則正しく上下するお腹から、ポンプのように世界じゅうに幸せを送り出している。 本当だよ。 だから、もう寝ている猫を起こさないでね。

押したい欲求

「他人に知られたくない欲望を自分が抱いている」ということを、人はいつごろ自覚するのだろうか。 私の場合、その記憶は小学校の低学年の時である。 生まれて初めて路線バスに乗っていた。なぜだかは忘れたが私の親はおらず、友達と、友達の母親と三人であ…

卵の緒

卵の緒 (新潮文庫)瀬尾 まいこ新潮社発売日:2007-06ブクログでレビューを見る»家族という集合体がこんなに簡単に優しくあれるものなのかどうなのか私にはよくわからないけど、主人公が子どもだから、子どもはどんな家族にいてもそれを普通として順応して生…

日本の名随筆「猫」

日本の名随筆 (3)作品社発売日:1982-01ブクログでレビューを見る»人に飼われるというより、コミュニティの中を自在にうろちょろしていた時代の猫たちの生活がわかる。「ペットと飼い主」というより「猫と人」としかいいようのないゆるやかな人との関係は、…

ひきこもりカレンダー

ひきこもりカレンダー勝山 実文春ネスコ発売日:2001-01ブクログでレビューを見る»引きこもる側が引きこもりながら引きこもることについて意見を述べるってあんまりないことなんじゃないだろうか。よくは知らないんだけど。引きこもる人はみんな後ろめたさと…

心の中にある廃墟

廃墟マニアという人たちが世の中にはいる。 人気のない廃屋や使われなくなって何年も経つ病院や学校など、出向いて行っては鑑賞したり写真を撮ったりして楽しむのだ。インターネットで探せばその手の人たちが撮った廃墟の写真がいくらでも出てくる。 私はわ…

【机猫】8.証拠

現場、押さえました!

【机猫】7.いたずら

夜の間に。

「泡」の魔力は人を狂わせる

洗顔の際に重視される「泡」の話である。 出来るだけ多くの、しっかりした泡で顔を包み込んで洗うのが大切というのは、実行しているかどうかは別としても、女性の間ではもはや常識であろう。 「あきらめないで」で有名なあの石けんも、もくもくとした泡の映…

桃色トワイライト

桃色トワイライト (新潮文庫)三浦 しをん新潮社発売日:2010-02-26ブクログでレビューを見る»この人の小説の抑制のきいた笑いは、このあふれるような言葉の渦から選び取られているのか。ちょっと勢いについていけず、置いて行かれる感があるが、相性の問題だ…

芸人交換日記〜イエローハーツの物語

芸人交換日記 〜イエローハーツの物語〜鈴木おさむ太田出版発売日:2011-03-10ブクログでレビューを見る»泣きはしなかったけど、夢を追いかけるって楽しくて辛くて厳しいことなんだなって思うと何だか切なくなった。私が見たいお笑いは、こうやって夢を諦め…

魯山人の料理王国

魯山人の料理王国北大路 魯山人文化出版局発売日:1980-02-25ブクログでレビューを見る»一つのことをある程度やり続けていると、そこにその人らしさが出てくるのは確かではあるけれど「仕事上の失敗と人格的な欠陥を一緒にしない」というのが理性的な考えの…

あたらしいあたりまえ。

あたらしいあたりまえ。松浦 弥太郎PHP研究所発売日:2010-01-16ブクログでレビューを見る»暮しの手帖つながりで「すてきなあなたに」と並行して読んでいたのでつい比べてしまうのだけど、同じ「ていねいに」でもこの人のていねいは防衛でもあるという気がし…

まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)三浦 しをん文藝春秋発売日:2009-01-09ブクログでレビューを見る»とても読みやすくて一気に読んだ。主人公の内心のツッコミが時々すごくツボにはまって笑える。この人の小説は初めて読んだけど、他の本も読んでみたい。久し…