顔面麻痺日記 1日目〜5日目

帯状疱疹ウイルスによる顔面麻痺になってしまいました。以下、闘病日記です。最初の兆候は偏頭痛のような頭の痛みでした。


3月19日(土)
右頭頂部から側頭部にかけて偏頭痛のようなズキンとする痛みが続くようになった。一度だけなら経験したことがあるが、続くのは初めて。痛みがないときは全然なんともないのだけど、痛みは結構強い。それでも居眠りはできるらしく、研修で面白そうな話をしてたのにがっつり寝落ちてしまった。

3月20日(日)
頭痛は相変わらず。赤子が歩くようになってきて、動画を撮ったりして楽しむ。立ってから歩くようになるまであっという間だな。

3月22日(火)
頭痛は続いている。痛みの位置が少し下に移動した。病院に行ってみようかと思い始める。

3月24日(木)
街中の脳神経外科へ。肩こりと嚙みしめからくる頭痛ではないかとのこと。CTとレントゲンは異常なし。痛み止めと筋肉を柔らかくする薬と湿布を処方してもらう。痛み止めはよく効き、だいぶ楽になる。

3月25日(金)
頭痛は治まったが右耳後ろのリンパが腫れている。痛みもある。

3月26日(土)麻痺1日目
右目からなぜか涙が止まらない。赤子をアンパンマンショーを見せに連れて行く。夜になって、目をぎゅっと閉じようとすると右だけ力が入らないことに気づく。涙が出ているのは瞬きができていないためだった。夜になった頃には口の動きも右側が思ったように動かず、物を食べるときなどかなり変な動きになる。リンパの腫れからくる顔面麻痺というのがあるらしいと知る。早く病院に行きたいが明日は日曜。それでも行くかは明日考えることにする。

3月27日(日)麻痺2日目
麻痺は相変わらず。耳の後ろだけでなく耳自体も腫れて厚ぼったくなっている。耳の穴の入り口付近にかさぶたができてじゅくじゅくしているのもきになる。
救急対応をしている脳神経外科に電話をして症状を伝えたらベル麻痺(ネットで見た、リンパの腫れからくる顔面麻痺。私もこれだと思っていた)ではないかと思う、耳鼻科にかかったほうがいいと言われる。休日当番医の耳鼻科にかけたら、脳神経外科に行ったほうがいいと言われた。なにこのたらい回し。脳神経外科から紹介されてかけているのだというと、入院や手術ができる設備のあるところに行ったほうがいい、ここに来てもらっても紹介状を書くくらいしかできないとのこと。別で通っている大学病院の耳鼻科に行ってみようかという話を夫とする。紹介状はないが多少お金がかかるくらいだったら行ってしまってもいいのではということに。ホームページには顔面麻痺も診るとはっきり書いてあった。

3月28日(月)麻痺3日目
鏡で自分の顔を見たら普通にしてるつもりでも相当アンバランスなのでマスクをして赤子を保育園に連れて行く。その足で大学病院に行ったが、耳鼻科は紹介状必要な上完全予約制だと受付ですげなく言われる。やはりよく調べてくるべきだった。脳神経外科の予約日だったので、とりあえずそちらへ。状態を話すと、やはり耳鼻科の領域だという。帯状疱疹だと思うと言われ、ベル麻痺とは違う病名(聞き取れなかった)を告げられる。土日だったから診てあげられなくてごめんね、すぐに紹介状を書くからできるだけ早く耳鼻科に行ってくださいとのこと。CTとレントゲンの画像も付けてくれたらしい。大きな封筒に入った紹介状をもらい、その場で大学病院に電話した。新患は月水金の受付だという。今日にでも行きたいがと言ったが今日はもうダメだというので仕方なく水曜の予約を取る。帯状疱疹 顔面麻痺で検索したら、ハント症候群というのが出てきて、ベル麻痺との区別は耳に水疱やかさぶたができることらしい(この辺、かなりいい加減)このじゅくじゅくがそうなのか、それならやはりハント症候群の方なのだろう。ハント症候群はベル麻痺に比べて予後が悪いとのこと。そしてやっぱり、早めの受診が大切だという。1日遅れるのは悔しいが、仕方がない。待つしかない。
脳神経外科で痛み止めを頼んだが、ヘルペスには効かないことがあるとのこと。今までは効いていた(気がする)のでとりあえず同じものを出してもらった。
麻痺は良くも悪くもなっていない気がする。物を食べるときの口の動きが相当変。笑う時も左の頬しか動かないので笑えば笑うほど引きつったような顔になる。これが続いたら人と会う時困るなあと思う。ネットで調べると入院している人が結構多い。入院治療が必要になったら赤子と夫はどうするのか、母もいるしなんとかすると夫は言う。心強い。

3月29日(火)麻痺4日目
耳は相変わらず赤く腫れて時々痛む。リンパも腫れているがリンパよりも耳の方が痛くなってきた。早く耳鼻科に診てもらいたい。検索すると、リハビリには月単位の時間を要するらしい。思ったよりも長丁場になりそうだ。なんで突然こんなことになってしまったのか。乾く右目からボロボロ涙をこぼしながらこの日記を書き始めた。

3月30日(水)麻痺5日目
朝から大学病院へ。初診の手続きをして耳鼻科で待つ。一時間待ってようやく診察。やはり帯状疱疹らしい。耳に発疹が出ているとのこと。麻痺が治るのは8割、半年ほどかかると言われる。わかってはいたが半年は長い。早い人だと一ヶ月という人がいたとのこと。明るいほうに希望をつなぐ。治らない2割のことは考えないことにする。
聴力検査とめまいの検査をした。どちらも異常なしとのこと。聴力検査はピーという音が鳴ったらボタンを押すおなじみのシステムだが、気のせいかと思ってしまいそうなずいぶん小さい音も聞かされたところが健康診断なんかの聴力検査とは違っていた。
ステロイドと痛み止め、化膿止めの軟膏などを5日分処方される。明後日顔面麻痺の専門外来があるとのことで、次はそちらを受診することになった。今回の医療費は7000円、薬代は3000円だった。
ステロイドは最初大量に飲み徐々に減らしていくとかで、今回は1日12錠。ステロイドを使用すると寝つきが悪くなるがしばらくは我慢してくださいと言われた。初めて聞いた。処方された痛み止めは、記憶が確かなら脳神経外科で出された薬のジェネリックじゃないやつだった。
とにかく入院じゃなくてよかった。赤子もいるし、そう気軽に家は空けられない。何も考えずに入院したい気持ちも少しあったが、赤子のことを考えたら何も考えずになんて無理で気が急いて落ち着かないに決まっている。