パーケン寄りの箱推しがキングオブコメディの魅力を語る。

※スター一個いただいたので当エントリは一応残しますが、大幅に改稿してアップしました。できればそちらをお読みいただけると嬉しいです。→こちら

最近、ももクロ芸人としてパーケンさんがテレビに出るようになって、ライブに行けない地方住みの身としてはとてもとても嬉しい。YouTubeをのぞくと、コントの映像よりももクロを語るパーケンさんの映像の方が多くアップされているのではないかという印象さえある。
だけどやっぱり、キングオブコメディにはコントをやって欲しい。そんな思いで、今更ながら彼らのコントの魅力を書いてみたい。

私がキングオブコメディを初めて見たのはたぶんテレビのネタ番組で、
「なんかツッコミの言葉がいちいち面白いな」
というのが第一印象だ。

「がんばってください！」「一緒にがんばりましょう」
「おい店長！」「見逃せません」
「いちについて！」「戻って」
「所持金を確認する！」「省きましょう」
「何様ですか」「お客様です」
「男一人女二人！」「性別は問いません」「生死は問いません」「問います」
「警視庁！」「行かないでください、仕事中に出頭しないでください」

つっこんでないわけじゃないんだけど、「何言ってるんですか」とか「それはダメです」とか言わない。
相手の言葉をしっかり受けてる印象。普通の会話に近いのかな。

「ツッコミ」というより「困惑しつつ付き合う」という感じか。
普通のツッコミは「〜かよ！」と乱暴な言葉遣いになりがちだが、役の設定を踏み越えず敬語を崩さないところも、普通っぽさを際立たせる。

今野「ただいまー」
パーケン「…おかえりー」
に至っては、もう完全に今野さんの暴走を受け入れている。あきらめの境地。この優しいとさえ言えるパーケンさんのツッコミがとても好きだ。

だがキングオブコメディの魅力はそこだけじゃない。
むしろこの優しい「普通の」パーケンさんが暴走し今野さんを抜き去るところが真骨頂のように思う。

このコントの終盤とか、

これとか。

「普通の人」が「変な人」に転じる瞬間。その瞬間を「狂気」と呼ぶ人も多いようだ。パーケンさんがよく見ると結構イケメンなのも「変」を演じたときの「変さ」が視覚的に際だってすごくいい。
私が好きなのはDVD「葉桜」の「映画館」。テレビではなかなか見られない、静かに暴走するパーケンさんの魅力を存分に堪能できる。
この「映画館」を見たお笑い芸人さんか誰かが「プライベートのパーケンじゃないか」と言ったと言う話を聞いたことがあるんだけど、ソース何だったかな。DVDの副音声だったかもしれない。

実際二人がフリートークをしている「ニコニコキングオブコメディ」を見ると、たいていパーケンさんが暴走している。そういう裏の顔を見ると、コントがより面白く見えてくる。

キングオブコメディ単独ライブ Vol.6 「葉桜」 [DVD]

あと「神様はいます」「戦争は終わったんです」「国から保護」「出頭」「加害者」などとこちらをドキッとさせる言葉がぽんと出てくるところも印象的。

パーケン「お前おかしいよ！病院行け！入院しろ！」
今野「通院になったの！」
パーケン「…おめでとう！」

というやりとりが確かあって秀逸だと思ってたんだけど、動画どこ探してもない。入院とか通院とか薄暗い言葉を使いながら「おめでとう」って来るのがすごくいいと個人的には思ってる。「困惑しながらも付き合う」姿勢を決して崩さない、礼儀正しさが好きだ。大好きだ。

特にパーケンさんは親の借金とか色弱とか、絶妙に後ろ暗いエピソードがいろいろあるところもいい。
特に好きなのは、あるインタビューのこの話。

高橋：僕が戻りたいのは5、6年前かな。当時すごく仲の良い女の子がいて、家に呼ばれるようになったんです。最初は戸惑ったものの、自分が信用されているから呼ばれていると思うと『この信用を裏切っちゃいけない』となりますよね。だから家に呼ばれても『勘違いしないし、変なこともしないよ』と余裕を持った男を演じていたんです。最終的に僕から告白したんですが『もう男として見られない、なんで何もしてこなかったの？』って責められ……。あの頃は空気を読みすぎるくらい読んでいました。

—何かアクションを起こそうとは思わなかった？

高橋：同じベッドで一緒に寝てましたからね。ちゃんと距離も適当にとりつつ。途中で一回、やっぱり好きだからなんとなく近づいてみたことがあったんですけど、その瞬間に彼女がバッと立ち上がり『ガスの元栓しめたかな〜』と台所の点検をし始めたんですよ。あとから彼女に聞いたら本当にガスが不安になっただけらしいんですけど。そのとき『やっぱり駄目なんだ、これはあくまで俺に楽しいやりとりを求めていただけなんだ』と確信してしまって。何にもなく2泊3日一緒にいたこともあるからね。今思えば押し倒しとけばよかった
今野：押し倒すというか、もう寝てるんだから倒す必要もないしね
高橋：あの頃は気持ちがわからなすぎて何もできなかったんですよね。もし戻れるなら、その日にタイムスリップします

さえないんだけど結構イケメンっていうのにぴったりの中途半端なモテエピソード。深く知れば知るほど、なんかはまる。
ももクロに対するものすごい腰の低さ（Twitterで「暴力的な謙虚さ」と言っている人がいてなんて的確な表現と思った）もすごくいい。モノノフから「神」と言われるだけのことはある。とにかくパーケンさんが大好きだー！

メルマガ「ニコニコニコニコキングオブコメディ」の二人のコラムも魅力的で、頭の中につまってる言葉を覗いてみたくなる二人です。