ここは退屈迎えに来て
- 作者: 山内マリコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/08/24
- メディア: 単行本
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私は田舎の中学から都会(と言ってもちょっと大きい近郊の地方都市だけど)の高校に進学したのだけど、進学が決まった時の全てのめんどくさいしがらみから解放されたような爽快感を思い出した。
十代のこれからなんでもできる!と言うようなテンションの高さもあり、アラフォーアラサーのくたびれた物悲しさもあり。くすぶっている人達を描いているのに意地悪な感じがしない。かといって優しく励ますというのでもない。「ま、なるようになるでしょ」的な不思議なフラットさのある目線。
各短編に共通して登場する椎名という男の子は、「桐島、部活やめるってよ」の桐島のイメージと重なる。
- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: 文庫
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桐島も高校を卒業して大人になったら、その頃の絶対的な輝きみたいなものは失われて、そんな彼を見て周りはちょっぴり失望しつつ、でも、彼とのつながりは失いたくなくて、いつまでも「あの時は急に部活やめるからびっくりしたよー」なんて思い出話に興じたくなるような存在になって行くのかもしれない。
読後感がいいのは各短編の配置順によるものもありそう。逆だったら全然違うことになっていた気がする。