すごい美人

私が知っている一番の美人は、学生の時の友達だ。
彼女は、それはもう本当にすんごい美人なのだけど、服のセンスが微妙で趣味も好みも地味だった。

そんな彼女は周囲の男性からしっかりと「美人」としての扱いを受けていて、聞かせてくれる体験談もたいそう華やかで、
「服装とか趣味とか関係なく、なんだかんだ言ってやっぱり顔なんだな」
って思わされたものだけど、今になって考えてみると、彼女くらいの美人になると
「服のセンスが微妙」とか
「趣味が地味」
っていうのは逆にいい意味での「隙」となって親しみやすさを感じさせるのかもしれない。
あの手この手で着飾ってようやく「見る人によっちゃまあまあそれなりにかわいいといえないこともないかもしれないが確かなことは言えない」くらいの評価を勝ち取るのが精一杯の一般人からしたらうらやましい限りだ。

そんな彼女だが、最近は美人武勇伝も少なくなり、どちらかといえば
「なんだかんだ言ってこの人趣味が地味なんだな」
っていうことの方を感じることが多くなっていて、要するにみんな年取ったんだなーってことなんだろう。見た目だけで得できる時代は終わったと言うことか。

でも彼女は地味な趣味を思いっきり楽しんでて仕事も充実してて結構幸せそうに生きてるから、最終的には顔云々より楽しめるものを持っている方が強いんだろうな。うん。大事なのはそれだ。そうだ!楽しんだもん勝ちだ!美人がなんだ!美人め!美人なんて!ふーんだ。