サーバーだから。

「サーバーだからね」と夫は言ったのである。
夫の部屋には電化製品が多い。そのほとんどはPC関係のもので、日夜稼働させっぱなしのものも結構ある。夫自身のためのものもあるし、私のためでもあるものもある(と思う)。
24時間それらの機器が稼働していることで一体どんな恩恵があるのかは私にはわからない。ただ部屋の電気を消したときにその電子機器の電源ランプが沢山点灯して綺麗だったので私は言ったのだ。
「プチ夜景だねえ」と。
そうしたら夫が言ったのである。
「サーバーだからね」と。
サーバーだから何なのだ。サーバーだから電源ランプを並べて夜景を作り出すことも当然ということか。サーバーってそういうものなのか。サーバーって何だ。
クエスチョンマークだらけの頭を抱えた私をよそに、夫は満足げにプチ夜景を眺めているのである。私はそれ以上の追求をあきらめ、夫の部屋を後にしたのだが、もし夫の身に何かあって、私があのサーバーとやらの群れに立ち向かわなければならない日が来たら一体どうしたらいいのか、今から密かに悩んでいるのである。