酒。

昨夜は久しぶりに飲み過ぎて、眠りについたときの記憶がない。

朝起きてみたら日記に「何縛りで動画見てたのか全然覚えてない。ただ充電必要な状態にだけなってた。」と書き残されていた。縛りって何だ。何のことだ。

意味不明な日記なら自分しか見ないから特に害はないが、昔友達に「がんばれー」というメールを送ろうとした状態で酔いつぶれて寝ていたことがある。送信しなくて本当によかった。突然深夜に心当たりのないエールを送られても、友達にしたって困惑するばかりだろう。危ないところであった。

酒に酔っての失敗談はすごいのを持っている人が沢山いると思うが、私の一番大きな失敗は、冬に外で飲んで帰ってきて、灯油ストーブの前に座って暖を取っていたら、こっくりこっくりと眠ってしまい、おでこを熱いストーブにぶつけ火傷をしたまま寝てしまったことである。翌朝鏡を見て呆然とした。幸い跡も残らずに完治したからよかったようなものの、嫁入り前(当時)の顔に怪我なんてシャレにならない。

失敗というのではないが、目が覚めたら部屋の真ん中に靴がきちんと揃えて置かれていたこともある。謎の行動としか言いようがない。もしそのまま何かの拍子に死んだりしたら、現場を訪れた敏腕刑事は「なぜこんなところに靴が?」と無駄な推理に時間を費やすことになるだろう。理由なんかたぶんないのです、ごめんなさい右京さん。

酒を飲んで記憶が飛んだり、失敗や意味不明の行動をするたびに、飲み過ぎはいかんなと思うのだが、とにかく酒が進んでしまうときがたまにある。なんでこんなに進むのかというくらい進む。気づいたときは、いやその時はもう気づくと言うより記憶は飛んでいるのだが、とにかくいつの間にやら泥酔状態に突入している。翌朝、景気よく酒をコップに注いでいる光景が、わずかに脳裏によみがえって、後悔の念を呼び起こさせる。もう飲み過ぎるまいと心に誓い、慎重に酒を飲む。ちなみに飲まないという選択肢はない。そして忘れた頃にまたスイッチが入って飲みまくってしまい、記憶を飛ばす。二日酔いにもなる。懲りない話である。
だが酒に関しては皆同じような失敗を繰り返しているではないか。二日酔いになってもう二度と飲むまいと思った後に結局又飲んでしまうという話は枚挙に暇がない。つまり酒とはそうしたものなのだと自分を納得させ、今日も酒を飲むのである。