外泊

週末は、自宅で過ごすことが出来る。外泊である。外泊っていうなら入院生活のほうが外泊なんだろうと思うが、まあそういう呼び方なのだから仕方がない。
金曜日の10時に一人で病院を出て家に帰る。日曜日は夫が病院まで送ってくれる。何が幸せって外泊中は「眠くなるまで起きていていい」ことだ。なにしろ病院の就寝時間は午後9時。小学生だってまだ起きている時間なのに、眠剤で無理矢理眠っているのだ。体にいいのか悪いのかよくわからない。
昨日はいそいそと外泊の準備をしていたら、ナースステーションの前にいた若い女の子が短いデニムのショートパンツをはいているのが目に入り、お笑い芸人の「2700」の人みたいだなと思ったら笑えてしまい、「このダンスをする〜」と口ずさみながら病院を後にする羽目になった。

ブログではこうやって動画をさらっと見せられるからいいですね、こういうおかしさを共有できるのは今のところ夫だけだ。いつものグループの人たちは皆あまりテレビを見ないからお笑いのことなど全然知らないし、本も読まない。かろうじてマリコが自己啓発系の本をぱらぱら見たりする程度だ。「村上春樹」でさえ三人とも知らないことには驚愕したが、案外世の中とはそういうものなのかもしれない。
そんな環境だから私の好きなもの、面白いと思うものを共有することは病院では不可能である。これが私の趣味の偏りなのか、他の三人の偏りなのかは定かではないが、そんなことはどうでもよくて、誰にも理解されない趣味を抱えた私は、こうやってブログを書いたりして気を紛らしながら、外泊を心待ちにする日々である。