大人のいない国
大人のいない国―成熟社会の未熟なあなた (ピンポイント選書)
- 作者: 鷲田清一,内田樹
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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感想と言うよりは覚え書き。
「折り合いをつける」ことと「妥協する」ことの違い
「誰にも出来ないこと」は周囲が認めて成立する
教養とは、本物と偽物を見分ける能力を身につけること
「これは見ておかないと」と自分で判断が付くこと
矛盾
複数の大人からの矛盾したメッセージの提示
↓
おまえがこのメッセージを理解できないのは、メッセージの容積がおまえの「理解のシステム」の容量を超えているからである。おまえはおまえのままではこのメッセージは理解できない。おまえは今のおまえ以上のものにならなければならない。
メタ・メッセージは端的に「成熟せよ」と告げている
★矛盾を受け入れる=成熟、矛盾したメッセージの提示=成熟せよというメタ・メッセージというのはなるほどと。
同一語の使い分け=詭弁術
日本国籍をもつ人
愛国者
↓
日本人
「日本人は堕落した」というときは自分を含まない
両義使いをゆるせば愛国心=愛己心と変わらない
※ピットフォール=落とし穴
★日本人ということばを二つの意味で用いるのが詭弁術というのは、自分のおろそかにしているところだと思った。自分でも同じ言葉を違う意味で使ったりする。人の言説を「うさんくさい」と思うときにはどこかにこの詭弁術が隠れているのかもしれない。注意してみたい。
言論の自由
言説の信頼性は
その人がそれまで積み重ねてきた言動から推察される判断の「適切さ」
発信者が特定されないのは「呪」
「言論の自由」の「言論」
私たちが発語するのは、言葉が受信する人々に受け入れられ、聞き入れられ、できることなら、同意されることを望んでいるからである
という前提→相手への「敬意」
「言論の自由」とは「他者に承認される機会を求めること」
「言論の自由」とは「場の審判力」に対する信認のこと
言説が差し出され、真偽、正否を吟味され、効果を査定される場が存在するということへの信認
敬意=「予祝」
★言論の根底には、人に受け入れられたい、出来れば同意してほしいという意志が前提にあるという話。当たり前のことだが忘れがち。なんでそんなこと言うんだろうという人の意見は、何を受け入れられたいと望んでいるのかを疑問に思ってみると何かがわかるかも。
第三の場をキープすることの大切さ。
★「受け流す」みたいなことか
第三の場はどんな場面で大切か、第二の場にいることも大切なときがあるのではないか。第二の場を誰かが占めているから第三の場が生きる。