あいがほしいねこ

いっぴきのねこがいました。

ねこはかいぬしのおとこのことがだいすきでした。
ねこはかいぬしのおとこからたくさんあいしてほしいとおもっていました。

あさになってかいぬしのおとこがおきると、ねこはおおいそぎでおとこのところにいきます。
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「おはようございます。きょうもあいをください。たくさんください。あびるほどください」

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ねこはかいぬしのおとこのあいがほしくてたまりません。

「あいをください。もっともっとください」

ねこはにょきにょきのびました。


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「もっともっともっと」

ねこはどんどんのびました。あいがほしくてのびました。


ねこはそのままどんどんのびました。
ねこはどんどんながくなり、かいぬしのおとこのくびにまきついてけがわのえりまきになりました。
えりまきになったねこはいつもおとこといっしょです。
ねこはとってもしあわせです。



ところでねこのいえにはかいぬしのおんなもいます。
ねこはかいぬしのおんなのことはあまりすきではありません。

あさ、ねこのところにかいぬしのおんながやってきます。
ねこはしんだふりをします。
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ねこがかいぬしのおとこのあいばかりほしがるので、
ねこのいえではねこは「あいじん」とよばれています。
「あいじん」は「せいさい」にかくれて「あいびき」をするのだそうです。

ねこはまいにちかいぬしのおとこと「あいびき」をするのをたのしみにしています。
かいぬしのおんなはすこしうるさいけど、ねこはとってもしあわせです。