とっておきフォルダ

2007年ごろに消しゴムはんこというものに出会った。

線画が形になるのが面白くて、猫のはんこばかり作った。

羊毛フェルトに出会ったときは、これで粘土のように好きな形が作れるんだ!とテンションが上がった。

はんこを布に押したり布用絵の具で絵を描けると知ったときもすごくわくわくした。

思いつくままに猫のものばかり作った。楽しかった。

これはという作品のアイディアが浮かびそれを形にするときの興奮は忘れられない。

友達に見せたら「売れるよ」と言われて調子にのり、実際イベントに出したりネットショップを開設したり委託をお願いして販売もした。

 
しかし自分の作ったものに値段をつけて人様の前に出すというのはなかなか気を遣う大変な作業だ。
創作意欲と時間と金額との折り合い。同じものを何度も作らなければならなかったり。
そしてなにより、いろんな人との出会いを通じて、どんなに自分が頑張っても結局才能ある人が作るものには絶対にかなわないという現実がじわじわと染みてくる。
「ものにならない」という現実。
次々とイベントの予定を入れたり注文を受けたりしているうちに、いつの間にか作るのが負担になっていった。
 
作るのをやめてみた。
誰に頼まれたわけでもなく好きでやっていたことなのに、作らなくなったら、正直楽になった。
 
それでもどこかに「作る人」でいたいという意地のようなものがある。
撮りためた過去の作品の写真はうんざりするようなものばかりだけど、たまーにこれはいいなというものもあるので、人に見せるためにでもと気に入ったものだけを集めた画像フォルダを作ってみた。
眺めていたら私も捨てたものじゃないのではないかという気がしてくる。
 
いつかまた作りたくなる日が来るまで、これを眺めて過ごそう。
 
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(生猫の写真も入っているのは人に猫を紹介する時のためでもあるからです)