エリザベスカラー

エリザベスカラーというものがある。
猫(犬も?)がけがをしたときに着ける、傷口をなめないようにするガードで、首の周りにらっぱのような形に巻き付けるものだ。らっぱの真ん中の穴に猫の顔がはまっているような感じになる。エリザベス女王の服の襟のようだからエリザベスカラーというそうだが「女王と言ったらエリザベスだよね」という単純な連想がそのまま名前になってしまっているあたりがすごいと思う。
けがをした動物が着けているのだから笑うのも不謹慎かもしれないが、あの「襟」を着けた姿はなんともユーモラスでかわいらしい。飼い主の不安を和らげてくれる効果もあるのではないか。
前飼っていた猫が目の病気になったときにエリザベスカラーを着けたが、自分では目を掻けなくなったものの、興味を示した別の猫に正面から襲われ放題で逆にまずい気がした。その上餌を食べさせようとしたら、らっぱの下部分が皿を手前に押し、顔が届かないところまで皿を遠ざけてしまうので、ぐるぐると皿を追い回すことになり、その姿が面白いのだけど不憫で結局すぐにはずしてしまった。幸いエリザベスカラーなしでも目は完治し、事なきを得たが、世間のエリザベスカラー猫たちはどうやって餌を食べているのだろうかと未だに疑問である。