机猫のサムとビー

夜が来ました。
サムとビーはこの事務所の机に住んでいます。
夜は二匹だけの、楽しい時間。
サムったら
「今日向こうの机で
きらっと光るものを見つけたんだ。
探しに行こうよ!」
とやる気満々。
「えー!?なんだか怖いなあ…」
ビーはちょっぴり臆病者。
でも、サムが一緒なら大丈夫。出発進行!

早速サムが隣の机で何か見つけたみたい。「イテテ!このやろ!」
「ここは何にも光ってないよ。
早く他のところに行こうよ」

サムは不思議な物を見つけました。
「ねえビー、これ何?
ビーが大きく見えるよ…
ええ!?ビーからも
ぼくのことが大きく見えてるの?」
「不思議だね…
でもここにも光る物はないよ、
どこか他のところに行こうよ」

白、赤、青、緑…色とりどりの鎖の輪。
サムは夢中です。
「サム、綺麗だけどきらっと光ってはいないよ、他のところに行こうよ」

これはなに?
まるで二匹のために作ったみたい。
二匹の秘密を知っている人がこの事務所にはいるのかな??
「ヤッホー!」
「サム、ここもきらっと光るものはないよ、早く他のところに行こうよ」

置き忘れられたプレゼントの箱。
きらっと光るもの、みーつけた!
「この箱の中、すごおく気持ちいいよ、ビー!」
「ほんとだね、
でもそろそろ、帰らなくちゃ。朝が来るよ」
「ちぇっ、
せっかく見つけたばかりなのにな」

 二匹は朝が来る前に元の机に戻ります。
「また夜に遊ぼうね、ビー」
「そうだね、サム」

あなたの机にもし猫の置物があったら…よく見てください。
「あれ?昨日と置き場所変わってない?」
なんてことがありませんか?
それは机猫が夜の冒険をした印。
たまには机猫たちのために、机を離れる前には、
机の上に遊び道具を置いて行ってあげましょう。
それでもう、あなたは立派な、
机猫たちの飼い主です。