虐げられている泡

以前、洗顔における泡信仰について書いたが、逆に虐げられている泡といえば、ヘアムースの泡である。
洗顔フォームなんかよりもよほどきめこまかい完璧な泡の状態で出てきているのに、無残につぶしてしまわないと使えないという矛盾。
その名も「ムース(泡)」と銘打っているというのに、泡のままじゃ使えないなんて、なんて不条理なんだ。
わざわざつぶすなんて残酷な行為を行うくらいなら、初めから少し液状になった状態で出てくるようにならないものなのだろうか。綺麗な泡になるように容器を設計した人の胸中を思うとやりきれない。山盛りの泡をつぶすたびに切ない気持ちになるのである。