「マジ歌選手権」で「ゴッドタン」の見方を学んだ

1月2日に放送された「ゴッドタン マジ歌選手権」を楽しく見た。こんなに素直にゴッドタンの企画を面白いと思ったのは初めてのことだ。
正直、これまでゴッドタンの企画は「どう見たらいいかよくわからない」と感じることが多かった。
「キス我慢」は最終的にキスが出来ないのが明らかな状況(キスしようとしたところで終了となる)で我慢してみせているのはなんだかしらじらしいとか、劇団ひとりはそもそもキスどうこうって話じゃなくなっているじゃないかとか思ってしまったし、これまでに見た「マジ歌」も、マジで歌っている姿を見せたいのか、変な歌を歌っている姿を見せたいのかわからなくてどこか戸惑ってしまっていた。見始めるときにある程度笑いの種類が想定できるものだと思っていて、それがつかめなくて困っていたのだ。
要するに私は「○○選手権」という名前に惑わされ、芸人さん達がみんなで特定の種類の笑いを求め競い合うのだと思い込んでいたのだと思う。例えば「一番〈芸人なのにやたらとうまくそれっぽく歌うことで笑わせる〉のは誰か」というように。だからマジ歌は「ぶれている」ような気がして楽しめなかったのだ。
でも今回のゴッドタンを見て私はようやく気がついた。これはありとあらゆる種類の笑いが繰り出される場なのだと。
おかしな顔、おかしな動き、おかしな歌詞、下手な歌、(見た目とうらはらに)うまい歌、マジな歌、素人が芸人を食う、特殊メイク、審査員の表情…
「いろんな笑いを見る企画なんだ」と気がついたら、素直に楽しめるようになった。

今考えると、私はこの企画を、シチュエーションコントを見るようなつもりで見ようとしていたのだと思う。
遊びの時間は終わらない」という映画がある。これはもう最初の設定が命で、あとはそのキャラクターがキャラクターを全うすればするほど面白くなるという仕掛けだ。そういう「設定ならではの面白さ」ばかりを私はゴッドタンに求めていたのだ。

遊びの時間は終らない [DVD]

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このことに気がついた後では、キス我慢も違って見えてくるのではないか。ゴッドタンを見るのが楽しみになった。