ポロメリア

ポロメリア

ポロメリア

どこか生臭いような、独特のにおいを放つあのころ。はやくここではないどこかに行きたいのに、ここではないどこも行きたいところには見えなかった、そんなあのころが、私にもあったな。

「シーミー」「ミンタマー」など聞いたこともない言葉だけど、そういう方言や固有名詞がすごく生き生きと文章の中で息づいている。今私がいる場所からは想像もつかない、わずかな旅の記憶を頼りに蘇らせるし、湿った南国の空気。沖縄の独特の文化にどっぷり浸かって生きてきた人の文章なんだなと思う。沖縄の人はこの文章をどう読むんだろう。

最初は主語述語のある文章をこっこさんが書いていると言うのが不思議だった。やっぱりこの人の文章は散文的。短いセンテンスが心にぶすぶすと刺さって小さい傷をいくつも作る。